東京キモノショー2017 キモノスタイル200

ひつじや呉服店

■祖母の帯×母のきもの

つくしの柄は、妻の祖母の染め帯でした。たまたま両面に柄が有ったので、帯と切り嵌めの材料になりました。ベースの無地は妻の母の物を染め変えてそこに切り嵌めをして街着にもパーティー着にも成る様に、柄の構成をしました。そのままを染め替えることはよくすると思いますが、それだけではなく、部分を生かしたり、手を加えたりすることで、遠い思い出が新しいものとして蘇ります。

感謝 物にも心が宿る

呉服屋には中でも重要な3つの仕事が有ります。

◆売る事・・・産地や工程や価値に対する知識が在る事
着る人の個性に対する美意識が在る事
使う場における伝統的なアドバイスが出来る事
最低これらの経験値が在る事が前提です。

◆直す事・・・役に立ってくれたものに愛情と尊敬が在る事
依頼する人の愛着に思いが至る事
直す為の経験と知識の蓄積が在る事が当然です。

◆守る事・・・作り手も売り手も買い手も個別には生きられない
先人達の集大成である日本の伝統の中に生まれた『きもの』
『温故知新』で良いが感謝と尊重を伝えなければ成らない。
使い捨て社会は本当に進歩と言えるのか…西欧合理主義という『毒』では…
古来日本人は、物にも心が宿るという自然に対する感謝を紡いできた。
深い々々所に宿る想いに対する手助けをする事で、物や心を助ける事が出来るか…
祖母から伝わる『きもの』の想いを忖度して、『感謝』を込めて『直す事』を取り上げました。

参考に成れば…

非売品

http://hitsujiya-gofuku.com/