東京キモノショー2024 キモノスタイル展出展
違和感を楽しむhossyデザインのライダースきもの
hossyさんに依頼して作っていただいた、レディス版ライダースきもの。デニムもよかったのですが、あえて紬で、ジッパーはシルバーで依頼しました。活動的でカッコいいイメージそのままに、洋ミックスで、白のセーターに白ブーツ、帯はKAPUKIの帯ベルトで。革の帯ベルトはハマり過ぎるので、こちらもあえて外すことで、きもの+ライダースの違和感を楽しむコーディネートにしました。染め抜きの一つ紋がさらにおもしろい違和感となっています。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
細野美也子
「縫取りお召の洒落着」
現在、縫取りお召というと全体に小さな柄か、飛び飛びに柄が入ったものを目にします。当時は、いまに見ると大胆な柄付の縫取りお召が流行りました。残されているものから見ると、富士山などもあり、具象的な柄が多いようです。この乱菊も同様で、触覚のように伸びた花びらにおもしろさがあります。地の茄子紺も当時らしいきものの特徴を伝えています。半衿に濃い臙脂の乱菊を合わせて、やや玄人っぽい装いに仕上げました。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
細野美也子
「昭和DCブランド・ジュサブローきもの」
今回の「昭和」DCブランドのテーマを意識して、辻村ジュサブローの訪問着のコーディネートをあらため試みました。ジュサブローは昭和にNHKで放映された人形劇「南総里見八犬伝」で一躍有名になった人形師で、舞台衣装なども手掛けるアーティスト。おざなりな名前だけでのきものではなく、染めへのこだわりが強く、濁った色の美しさは秀逸。ジュサブロー独特の、昭和的な淫靡な美しさが見どころです。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
須田久美子・細野美也子
「黒羽織の外出着」
当時のきものは普段着、外出着、礼服、主にこの三種類に分かれていました。このコーディネートは、中流〜上流クラスの既婚者の外出着です。黒羽織は外出着の1アイテムで、礼服としての着用ではありませんが紋付きになっています。日常の一環であっても外出時には紋付きが当たり前という時代でした。羽織の下の控えめな裾模様のきものは、文豪・谷崎潤一郎の妻・松子のもの。当時の、年配の既婚者のきものの特徴がよく出ています。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
細野美也子
「十代の接ぎ銘仙」
十代の未婚の女性の銘仙。大正時代から戦前まで大ブームとなったのは、憧れの絹ものが安価で入手できるようになったからです。ほぐし織りという技術で、複雑な柄が従来の織物より簡単にできるようになったのです。派手な色使いの印象のある銘仙にしては、ややシンプル。しかし、持ち主にとっては大切な一枚だったのでしょう。よく見ると上前に孔の接ぎがあります。裕福でないのは明らかですが、絹への憧憬と愛着が感じられます。