大原和服専門学園
古都奈良で着物のプロ技術(和裁・染色・織物・着物デザイン・着付け)を養成している専門学校です。和裁学科と着物学科があり、着物学科が染め、織り上げた作品を和裁学科が着物や帯に仕立て上げる連携授業にも取り組んでいます。高校からすぐに入学する学生は2年生に成人式を迎えるので、振袖を製作する学生もいます。人生の節目を彩る着物を自分自身で作り、自分自身で着物の価値を経験することはとても大切です。技とともに心をはぐぐむことも大切にしています。
古都奈良で着物のプロ技術(和裁・染色・織物・着物デザイン・着付け)を養成している専門学校です。和裁学科と着物学科があり、着物学科が染め、織り上げた作品を和裁学科が着物や帯に仕立て上げる連携授業にも取り組んでいます。高校からすぐに入学する学生は2年生に成人式を迎えるので、振袖を製作する学生もいます。人生の節目を彩る着物を自分自身で作り、自分自身で着物の価値を経験することはとても大切です。技とともに心をはぐぐむことも大切にしています。
私は千鳥が好きです。
丸いフォルムで、どこか憎めなくて、愛らしい。そんな千鳥をたくさん描きたくて、千鳥の大群を描くことにしました。
「波千鳥」をテーマに、波を遊ばせて千鳥が着物の端から端を横断しています。
金彩をたくさん施したので、波が光に反射している様が表現できたのではないかと思います。
大胆で私らしい着物に仕上がりました。
【縫製者】和裁専攻科 竹村翔子
浮織の袷着物です。
喜屋武八枚という柄の南風原花織に惹かれ、自力での再現を試みました。組織に関する資料がなかったため、反物の写真を元に織っています。
各2色の経糸と緯糸が交互に浮くことで表の色が切り替わり、タイルのような模様を形作っています。
喜屋武八枚は本来8枚の綜絖で織られるようですが、本作品では最適解に辿り着けず、倍の16枚綜絖になりました。完全再現とはなりませんでしたが、よい学びになりました。
【縫製者】和裁研究科 芝田琴音
この作品には私の好きな物がたくさん描かれています。額の金彩は少しでも額に見えるように「盛金」という技法を使い重厚感のある立体的に描きました。前身頃や後身頃に描かれている植物はアザミです。周りには、蝶や蛾が飛んでいて、アザミの中やよく見ると額縁にムカデがいたりします。
この作品は夜と虫の世界を表した着物です。
【縫製者】着物染織科 黒米柚香
デザインから染色、仕立てまで自分で制作しました。黒と白をメインとしてすっきりとさせつつ、トランプのマークで華やかさをだしました。
柄合わせに特に注意していて横のラインがきれいに合うようにしてあります。
洋風なデザインで付下げとして半襟や半幅帯で遊んでも、スカートやシャツと合わせて和洋ミックスにしても楽しめます。しゃれ紋を3つつけていてそれぞれキング、クイーン、ジャックをイメージしたデザインです。
【縫製者】着物染織科 高野志乃
ローケツ染めの特徴ってなんだろう?
それは大胆で、生命力を感じさせる表現ができるところだ、とこの着物を染めるときに思ったことです。
たくさんの葉や枝の間から垣間見える熟れた杏を豪快に表現しました。その実を食べようと飛んでる千鳥もわたしのトレードマークです。
帯も自分で織りました。お太鼓はすらっとした縦縞、胴回りはかわいらしいチェックという、遊び心のある帯に仕上がりました。
【縫製者】着物染織科 杉本希星
私の成人式のために1からデザインして染め上げました。少し暗めの地の色に明るい配色の薔薇にしたことで薔薇に目が行くようにうまく配色しました。檜扇を少し変えた扇を柄の中に取り入れて大人のようでまだ子供らしさもあるというイメージを込めました。
世界中探してもない、私だけのたった一つの振袖です。
コーディネートのポイントの1つとしては、ここでの帯はあまり目立たせたくないので金ではなく銀糸の帯を使うこと、小物全てに黒色が含まれるものを使う事でそこでも統一感が出るように工夫しました。
【縫製者】和裁科 澤﨑留侑
ローケツ染めの技法を使って染め上げました。色を置く→ロウを置く 事を4~5回繰り返して染め上げました。
名古屋帯は自分で糸から染めて織り上げました。ポイントは経糸で頑張って表現したグラデーションです。
着物・帯 共に1からデザインし、染め上げ、仕立て、完成させた作品です。着物には柄合わせがあり、なかなか苦労しました。だからこそ思い入れのある作品の一つになっています。
【着物・帯縫製者】着物染織科 長島智花乃
穏やかな晴れの日を連想させる配色です。生まれ育った町での思い出の景色をデザインしました。着付けた時に、振袖の柄が最も綺麗に見える模様の配置をしています。加えて、帯とお互いに引き立て合うよう柄行は最低限に抑え、その分、花弁や鳥の羽のぼかしにこだわって深みを持たせています。また、手描き友禅の醍醐味ともいえる糸目をしっかりと見せたかったため、目立たせたいポイントにのみ金彩をしました。
【着物縫製者】和裁科 山口千穂
矢羽根、鍔、刀の下緒……まるで5歳の七五三のような取り合わせですが、私の好きな物を集めた「私のための着物」です。どのモチーフも伝統的な着物の柄として使われてきた物ですが、女物の着物の図案としてそのモチーフを選んだこと、また、それぞれのモチーフを組み合わせたことに「私らしさ」を表現できたと思っています。
放たれた矢のように「自分らしさを突き進む」という決意を籠めた作品です。
「予測できない=面白い」絞り染めの面白さは、解いてみるまでどのような柄に染まっているかわからないランダム性にあると考えます。
浴衣の制作は、真っ白な生地を絞って氷染めをすることから始めました。地色のベージュ、染料の分離から生まれたブルーグレー。最初に思い描いたデザインも、思いがけず出会った色彩も、全て楽しみながら染め上げました。その「面白さ」を見る人にも感じていただける作品になったと思っています。
【縫製者】着物工芸科 渕上葵