青山ゑり華
加賀友禅&おしゃれ 青山ゑり華です。
きくちいまさんと製作した絹木綿303や近江縮、麻襦袢など天然素材の洗える着物や、加賀染のオリジナル商品を出展いたします
加賀友禅&おしゃれ 青山ゑり華です。
きくちいまさんと製作した絹木綿303や近江縮、麻襦袢など天然素材の洗える着物や、加賀染のオリジナル商品を出展いたします
毎田健治作 加賀友禅留袖
毎田健治(1940~)日本工芸会正会員
毎田健治作の留袖。
松皮菱に華紋そして檜垣文様の2つの風流傘に、おめでたい打ち出の小槌、丁字、宝巻や扇、短冊などがちりばめられて、その周りに鮮やかに花が咲き誇る、華やかな留袖に仕上がっています。
差し色の華やかさは、先代毎田仁郎氏からの伝統で、着る人の気持ちはもちろんですが、結婚式の会場まで華やかなムードに包まれる一枚です。
この訪問着の図案は竹林がモチーフです。竹林の中から空を見上げた時の情景を写し取っています。笹と笹の隙間から空が見えて、まるで笹そのものが光っているかのようにキラキラとまぶしく見える、そんな情景が浮かんできます。 斜めに白く抜けている部分や飛んでいるつぶつぶは、加賀友禅の特徴である「加賀五彩」をベースにした差し色で彩色され、竹林に降り注ぐ光や風、周りの空気感を表現しています。 竹は、松、梅とともに冬の寒さに耐える歳寒三友の一つで、冬でも青く、しなやかで強く折れることのないことから「威勢」などの意味があります。また成長が早く生命力が強いことから子供の健やかな健康と成長への願いが託されています。 竹の柄のきものは、結婚式などのお祝いの席にはとても重宝いたします。季節感も無いので、お祝いの席に呼ばれることが多い方には是非おすすめしたい一枚です。
松は赤、白、金。鶴は赤、白、緑。あえて色数をおさえた配色に、作り手の感度の高さを感じさせます。そこに効果的に使われている刺繍の美しさ、贅沢に使われている金彩。光沢の無い一越縮緬の黒が背景となって、抑制と豪奢が一体となって迫ってきます。さぞや良いところのお嬢様の花嫁衣装として作られたのであろうと想像できます。構図はもちろん、糸目糊・彩色・刺繍の技術の高さをじっくりと味わって欲しい一枚です。
初代由水十久(1913~1988) 由水十久先生は本加賀友禅には珍しく、人物を描くのが特徴です。晩年に見られる髪の毛が糸目で描かれるような細密な表現では無く、中期以前の作品。また本作品は地染に蝋たたき、胸肩の描写には型染(ピース加工?)を用いています。初代由水十久氏の作風の変化と加賀友禅が伝統工芸品に登録される以前は金彩や刺繍など色々な技法が用いられてきた事が分かる貴重な一枚です。