加藤明美(個人)
着付けを覚え、他装を学び、KICCAで色の奥深さと配色の妙を知りました。さらに、染めや織りの工程を知れば知るほど愛おしく、若い頃の着物を羽織やコート、果ては長襦袢にまでリメイクして愛用しています。今回「過去も現代も包括して未来の可能性に向けて」というメッセ―ジを受けて全くの着物業界門外漢ではありますが、高い伝統工芸でありながら、令和の優しさに寄りそうようなコーディネートを出展させていただきます。
着付けを覚え、他装を学び、KICCAで色の奥深さと配色の妙を知りました。さらに、染めや織りの工程を知れば知るほど愛おしく、若い頃の着物を羽織やコート、果ては長襦袢にまでリメイクして愛用しています。今回「過去も現代も包括して未来の可能性に向けて」というメッセ―ジを受けて全くの着物業界門外漢ではありますが、高い伝統工芸でありながら、令和の優しさに寄りそうようなコーディネートを出展させていただきます。
コロナ禍で還暦を迎え何か1つ記念になるものをと思い、シルクギャラリーの成瀬先生に色やコーデのイメージだけを伝え染めていただいた色無地。満月のような銀箔のうちわが印象的な帯を合わせ、深い茶色の大地からの芽吹きのよう。60代、70代、80代…いつまで?と思ってしまいますが、そんなとき「夏着物は周りを涼しくさせるために着る」という着付けの先生の言葉を思い出します。還暦は生まれ変わり、これからは後ろ姿で勝負だ!
白の牡丹を大胆にあしらった加賀友禅の訪問着。赤やピンクの牡丹のような豪華さも、花の王様と称される風格もあえて隠しておきながら、大輪の牡丹の真っ白な花びらの清らかさに圧倒されます。加賀友禅作家柿本市郎先生の作。着物の薄紫色は、皐月のさわやかな風のようです。その風に乗って舞い降りた蝶々。唐織の袋帯は、唐織独特の重厚感は残しつつも、柔らかな配色とすることで、こちらも煌びやかさを打ち消しています。蝶々が牡丹の花の周りを軽やかに飛べるように…。 披露宴やお祝いのパーティーに招かれたとき、自己主張し過ぎず…でもちゃんと存在感があある。そして何よりも季節を楽しむ。そんなコーディネートを目指しました。4年前の5月、友人の娘さんの披露宴に着ていったことがありました。若い新婦のお友達は着物姿の方は一人もいなかったのですが、私の着姿を見て着物っていいなと思って下さり、その後は着物で参列する人が増えたという話を後日伺って、とても嬉しくなりました。