東京キモノショー2024 キモノスタイル展出展
憧れの加賀友禅
前田健治先生の本加賀友禅訪問着です。若いころにどうしても加賀友禅が欲しくて、ちょっと無理して求めたものです。以来ずっと側に置いて、いろんな会やお祝いの席で十回以上着用しました。羽織るたびに買ったときの若い頃の気持ちにちょっと戻れるので、きものって不思議ですね。買ったときは柄がもう少し多いといいなと思ったけど、今になると柄のボリュームもちょうどよかったなと思います。明るい色が似あうと言われますが、あと何年かは大丈夫でしょうか。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
花影きもの塾
「昭和30年代の未来的白無垢」
洋髪で白無垢や打掛姿の花嫁が定着してきました。14年前の”エリカ様”の婚礼からだと思われますが、実は戦後の昭和30年前後から、進取の婚礼スタイルが出現しています。それが、白無垢に綿帽子……ではなく、チュールや花を飾り、帯下にはシゴキというよりリボンの効果を狙ったような使い方をしたり、鶴柄の小紋にチュールを飾ってブーケを持つなど、20~30年代は戦後を切り開くエネルギーが感じられる時代でした。並べると現代と逆転して見えます。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
花影きもの塾
「百花繚乱色打掛」
御所車に四季折々の花を飾った「花車」文様の色打掛。道長取りに御所車、雅やかな王朝の文様は、今も子供の祝い着から花嫁衣裳まで、人生の通過儀礼のきものに好まれている文様の一つです。挙式は白無垢で、後お色直しで色打掛に掛け替えていた昭和の婚礼。現代は挙式から色打掛を着ることも多くなりました。女性は神様のものであり、神様から許しを得て俗世の男性に嫁ぐという意味で、白から色へ…という説もあるそうです。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
花影きもの塾
「能装束風色打掛」
打掛では鶴や鳳凰の文様が定番で、華やかに施された金彩等、絢爛豪華な衣裳が多いですが、この色打掛は能装束に見られる段替わりの構図に、唐織で織られた花扇の文様が見事で、なかなか他にない逸品です。全体に織りだされた花々の色糸の多さは、重厚感ある花嫁衣裳にふさわしい、見ごたえのある意匠です。唐物、唐織など、かつて「唐」は「優れたもの」の意味で使われた言葉ですが、文字通りの美しさにも豪華さにも優れた色打掛です。
キモノスタイル2023 出展コーディネート
須田久美子・細野美也子
「黒羽織の外出着」
当時のきものは普段着、外出着、礼服、主にこの三種類に分かれていました。このコーディネートは、中流〜上流クラスの既婚者の外出着です。黒羽織は外出着の1アイテムで、礼服としての着用ではありませんが紋付きになっています。日常の一環であっても外出時には紋付きが当たり前という時代でした。羽織の下の控えめな裾模様のきものは、文豪・谷崎潤一郎の妻・松子のもの。当時の、年配の既婚者のきものの特徴がよく出ています。
キモノスタイル2022 出展コーディネート
百花の魁(さきがけ)…枝垂れ梅
2019東京キモノショー「大人の振袖ファッションショー」に参加したい!との思いで、東京友禅作家の染谷洋先生に描いて頂きました。清雅な花の姿と高貴な香りが、万葉の頃から日本人に愛された梅の花。肩から枝垂れた八重の花びらが、とても華やかな振袖です。 「木の花は濃きも薄きも紅梅」by清少納言
キモノスタイル2022 出展コーディネート
安土桃山時代の小袖
小袖は平安時代までは装束の下着でしたが、平安時代末期〜鎌倉時代には表着として変化。きもののルーツとされています。小袖とは袖が短いということではなく、袖口が小さく閉じられているところからきています。ゆえに振袖も小袖の一種になります。公家装束の大袖に対しての呼称。これは舞台衣装として製作されたもので、動きやすさから身八つ口が開いていますが、本来は男物同様身頃に付いた状態で、帯もその下になります。